それは、ある秋の夕暮れ時であった。その日俺は紅葉を楽しむべく群馬県の山間部をドライブした。
その帰り道、高崎市街に車がさしかかったとき俺は驚くべきものを目撃した!
俺の目の前に現れたのは「美容室BOØWY」であった!
なんと、絶頂期に惜しまれつつも解散してしまったあの伝説のバンド「BOØWY」の
メンバーがこんなところで美容室を営んでいたとは!
これはチャンスである!
元「BOØWY」のメンバーにサインを貰うのだ!
俺はさっそく色紙を用意してその美容室を訪れた。

 だが、残念ながらここには元「BOØWY」のメンバーなど一人もいなかった…。
そればかりか、お店の人に馬鹿にされてしまった。
「こんなところに『BOØWY』のメンバーがいるわけないじゃないですか!
おたく、頭おかしいんじゃないですか?」。

 とんだ見当違いだったらしい。しかし、俺は良いアイデアを思いついてしまった!
俺自身が「BOØWY」のメンバーになればいいのだ!そうだ、俺が氷室京介になればいいのだ!
この「BOØWY」という名の美容室で氷室の髪型にしてもらい、
身も心も氷室京介になりきり俺がサインすればいいのだ!

















俺はさっそく当時の「BOØWY」が載ってる雑誌「バンドやろうぜ」を片手に
ふたたび意気揚々と美容室を訪れた。

 いや〜駄目でした。そんな冷かしじみたお客様はお断りだそうです。
俺は真剣なんだけどな? やはりその根底にある動機が不純なのかな?
でも、せっかくここまで来てなにもせず帰るのはあまりに
も悔しい! 何か名案はないものか?
















そうだ!何か頼み事をするときには「こんにゃく」を持って行くとたいがいのことは
上手く行くと聞いたことがあるぞ! よ〜し「こんにゃく」を持って突撃だ〜!

 だ・めー!! これはより一層駄目でした。お店の人はなぜか怒ってました。
なぜだろう? おっかしいな〜? 心がこもってなかったからかな?
どうすればわかってもらえるだろうか?





















そうか、このお店の人は音楽好きに違いない。
ならば心を込めて自分で編集したCDをプレゼントしよう!
これならばきっと喜んでくれるに違いない!

 ジャーン! 作りました! 俺の作ったオリジナルのCD『GLAY ベスト・ヒッツ』。
これを持って行けばきっとお店の人も喜んでくれるでしょう!
では、このCDをひっさげて張り切って行ってみましょう!























グエ〜…。お店の人が切れちゃいました! ちくしょ〜ぅ! なんでわかってくれないんだ!
俺は、ただ氷室になりたいだけなのに。


















それならば自力で氷室になるだけだ!
よ〜く見ておけ俺が氷室京介だ!
よ〜し、ビシッと決めるぜ!


















『美容室BOØWYへようこそ!』






























































◉この物語は、ケムール星人の愛と勇気と絶望の物語である。
このコーナーでは皆さまの街にある、小さな物語を募集しております。
物語を提供していただいた方には「ケムール星人オリジナルステッカー」を
プレゼント致します! 皆さまからの粋なストーリーをお待ちしております!
それでは皆さまよいお年を♪





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